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2005年 イベント&トピックス

第2回 WFP生徒作文コンクール 入賞作品

全日本中学校長会会長賞

缶ジュース
宇都宮 啓  大阪星光学院中学2年  (大阪府)

つい数日前のことだが、朝食の時に母が、「一日一ドル以下で生活している人がアジアやアフリカ圏には大勢いるんだって。」と言って新聞記事を読み上げた。この時、人数についても具体的に話してくれたのだが、僕には関係ないやと思いつつ、適当に返事をして家を出た。

学校でのどが乾き、百二十円でジュースを買う。いつものことだが、今、このジュースを手にして考えた。このジュース一本の代金で、毎日生活を送っている貧しい人々がいるのだ。家族がお腹一杯食べることなど到底出来ないだろう。昨日、今日だけでなく、明日も明後日もずっとがまんしなければならないのだ。お腹をすかせた子は、思いっきり遊べるのだろうか。集中して勉強できるだろうか。いや、それよりも何よりも心の底から笑えるのだろうか。同じ地球に住んでいながら、僕には全く想像すらつかない世界が存在するのだ。

では、実際に飢餓や食糧問題をどう克服するべきだろう。僕は考えながら飲み終わったジュースの空き缶をゴミ箱に捨てた。その瞬間、今朝目にした悲しい光景が突然思い起こされた。道路脇の田植えを終えたばかりの田んぼに空き缶が投げ込まれており、それを、農家の人が拾い集めていたのだ。僕達は、便利で豊かな国に生まれたけれども、心はどうだろう。心は貧しいのだ。貧しくなんかない、と言えるだろうか。反対に、貧しい国の貧しい人々は、家族を思いやり、食事を分け合い、感謝する気持ちを持っているに違いない。豊かな国の心貧しき者が、貧しい国の優しい人々のことを考えるのである。

僕は、深い迷路の奥で迷子になった気がする。僕に出来ることは何なのだろう。僕は一体何をすればいいのだろう。しかし、こうしている間にも、飢えのため、消えかかっている命があるのだから、立ち止まっている時間など、ないはずである。

僕にもすぐ出来ること、一本のジュースをがまんして、ささやかながら募金をして助け合うことが出来る。でも、本質は、貧しい環境を作らないことが大切である。そのために絶対避けなければいけないのが、テロや内乱、戦争である。他にも、自然災害も恐怖ではあるが、災害を最小限にくい止める方法は、たくさんあるはずだ。また、人間のエゴだけで押し進めてきた環境破壊は、もう許されぬところまで来ていることを実感しなければならない。

便利さを追求し、不可能を可能にしてきた人間の英智を信じ、今後は、地球の幸福を追求して、不可能を克服していくだろう。僕はそのような人間のひとりとなりたいと考える。

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