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2006年 イベント&トピックス

第3回 WFP生徒作文コンクール 入賞作品

外務大臣賞 小学生部門

「ボクを見つめて」
兵庫県 小林(おばやし)聖心女子学院小学校 6年 大橋 凜奈(おおはし りな)

 夏休みに入ったある日、私は新聞の第一面の記事に目がいきました。それは、平均寿命の記事で、平均寿命ベスト5の国の表がのっていました。日本人の男性は、32年ぶりにベスト3から落ち、4位になりましたが、女性は、21年連続で世界1位(85.49歳)でした。私は思わず、「やったー、おばあちゃんはまだ大丈夫、良かった。」と思いました。

 そして、ふと横を見ると、スーダンの男の子の大きな写真が、私を見つめていました。写真の横には、「ボクを見つめて」と大きく書いてありました。私はスーダンの事は何も知らないので、その記事を読んでみました。そこには「スーダン南部地方では、4人に一人は5歳の誕生日を迎える前に息絶え・・・」と書いてあり、寿命世界一を思わず喜んだ私は、その男の子の目を見つめることはできませんでした。わずか1歳足らずの差で、上位の順位を気にしている日本、そして世界一で良かったと喜んだ私を、写真の男の子に見られているような気がして、恥ずかしくなりました。

 この夏の自由研究で私は、ユダヤ人難民を助けた杉原千畝という外交官について調べました。この中で印象に残ったことがあります。千畝の奥さんが迫害を受けたユダヤ人の話を聞いて「ユダヤ人でなく日本人で良かった。」と思ってしまったことを恥じて「あの人達を見て何もしないのは、直接手を下していないだけで、結局彼らを迫害しているのと同じ・・・。」というところです。ナチスに迫害されたユダヤ人と飢餓に苦しむ男の子とは全く状況が違いますが、私も寿命の表とスーダンの男の子の顔を見た時、日本人で良かったと思ってしまいました。80歳位まで生きることがあたりまえになった私達には、飢餓で苦しむ子供達の姿はまるで別世界の話のように思えます。日本は豊かで、自分達の健康の事を大切にしているので平均寿命は延びたと思います。世界では一日に2万5,000人が飢えで亡くなっているというのに、日本ではタマちゃんやど根性大根など、動物や野菜の生死の方が騒がれています。

 日本人が世界の飢餓の状況に無関心であるというよりも、知らないし、触れる機会もないので「世界が違う」ということで片付けられているような気がします。でも身近であれば大根を生き返らせるのに必死になれる日本人が、本当に飢餓の現状に接したら、きっと行動を起こせるに違いないと思います。今の状況は無関心ではなく、無知ではないでしょうか。
 
私は自由研究で、知っているのに行動を起こさないのは悪いことだと知りました。私はぜひ学校で飢餓に苦しむ子供達の現状をもっと教えてほしいです。総合学習などの授業で私達も、より深く調べ、視野を広げられたら良いと思います。私達は決して別世界にいるのではなく、離れていても常に求められているのだということを知るべきです。

 スーダンの男の子の瞳は訴えています。
「あなたの力が必要です。」

 私はそれに気がつきました。


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