シリア・東グータで飢えや貧困と直面する人びと
過去4年間に渡る東グータの包囲により、40万⼈が⾷糧、医薬品、その他の必需品の定期的な供給を受けられなくなりました。
⽣死をかけた状況は、唯⼀物資を得ることのできたアルワフィディーン・キャンプに続く道路が2017年9⽉に占領、封鎖されたことで悪化しました。
そんな中、国連WFPが⾷糧を提供してきましたが、⽀援を必要とする家族を救うためには、より多くの資⾦と道路通⾏の許可が必要です。
息⼦の命が消えていく

東グータで暮らすアブ・サレーさんは、⽣後10カ⽉の息⼦が成⻑に必要な栄養価の⾼い⾷べ物や清潔な⽔を⼿に⼊れることができないため、5.5kgをわずかに上回る体重は同年齢の乳児の半分ほどしかなく、重度の急性栄養不良に苦しんでいると訴えます。
⽜乳は市場に出回ったとしても⾼価なため、⽔っぽい野菜スープしか⾷べられていません。この包囲地域の⾷糧価格は2倍以上に⾼騰している上に⼈々は仕事がなく働けないないため、市場に残った⾷べ物にも⼿が出せない状態です。
「⾷⽤油1リットルが13,200シリアポンド(27⽶ドル)もして、パン⼀包みが2,000シリアポンド(4米ドル)もするのです。」と涙をこらえながら語ります。
「息⼦を助けるために何もできないんです。私にできることといえば、なんとか息⼦を医者に連れていっても、この⼦がゆっくりと弱っていく姿を⾒続けることだけです。」
⽇ごとに交代で⾷事をする娘たち

オム・サナアさんは肥沃な東グータ地域に⾷べ物が豊富にあった時のことを思い出します。紛争発⽣以前、この包囲地域に暮らす多くの住⺠は野菜や果物を⽣産、販売して⽣計を⽴てていました。
「紛争が起こる前、この辺りには⾷べ物がたくさんありましたが、今は違います。特に先⽉はひどかったです。娘たちに⾷事を与えることさえままなりませんでした。」
と夫に先⽴たれ、3⼈の⼦どもを育てるオム・サナアさんは⾔います。
亡くなった夫は農場で働き、彼⼥も作物を市場で販売する⼿伝いをしていました。しかし東グータの包囲が厳しくなるにつれ、耕作地の⼤部分が戦場となり、危険で農業従事者が近づけない場所になってしまいました。今は⼿に⼊れられるほんのわずかな⾷糧をやりくりして3⼈の娘に分け与えています。
「娘たちは⽇ごとに順番で⾷事をしています。⾷べ物がほとんどないので3⽇ごとに1⼈が1⾷をとります。彼⼥たちが空腹で眠りにつき、⼒なく⽬覚める姿に胸を痛めています。」
命の危機にさらされたすべての⼈びとに⽀援を届けるために
2017年9⽉以降、国連WFPは東グータの包囲地域で暮らす11万⼈以上に⾷糧⽀援を⾏い、2万⼈の⼦どもたちに栄養強化⾷品を届けてきました。
国連WFPは東グータ⼀帯の全住⺠へ⾷糧⽀援を⾏うための追加資⾦を緊急に必要としており、同時に、⽀援を必要とするシリア全⼟の数百万⼈へ、無条件かつ安全に⽀援を届けるためのアクセスを提供するよう訴えています。
シリアの人々の苦しみがこれ以上続くことのないよう、
皆さまのお力を貸してください。